神風の如く






沖田はそのまま華蓮の方に向き直す





「僕たちも帰りましょう………蓮さん?」





華蓮は全身が震えていた





無理もない、人が斬られて死ぬところを間近でみたのだ




しかも、自分や沖田が殺されそうになり、華蓮自身も怪我をした





そんな様子に気がついたのか、沖田は華蓮の前にしゃがみこみ、両足と背中に触れた





──ふわり





「えっ、あの、沖田さん!?」





沖田は華蓮をお姫様だっこのようにして、抱えていた





「お、おろして下さい……歩けますから」





恥ずかしいし、何より顔が近い





「こんなに震えてしまっては無理ですよ
それも僕の責任です…………
このまま、屯所まで行きますよ

できるだけ人に見つからないようにしますから、しっかり掴まって下さいね」




沖田は華蓮を抱いたまま、走り出した





そして、華蓮が恥ずかしがっていることもわかっていたのだ





────沖田さんは怪我をさせたことを悔やんでいるかもしれませんが、あなたがいなかったら、今頃私は死んでいましたよ……────





華蓮はそんな沖田に心から感謝していた






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