神風の如く





沖田の配慮によって、ほとんど誰にも見られることもなく屯所に着いた華蓮は、沖田と共に土方の部屋へ向かっていた





「僕、殺されるかもしれません」





いきなり苦笑いをしながら呟く沖田





「ど、どうしてですか!?」





華蓮にとっては、沖田が守ってくれたようなものだ




そんな発言をする理由がわからなかった





「まあ、いろいろです………


………土方さん、ただいま戻りました」





土方の部屋の前に着くと、沖田はいつものように有無を言わさず入るのではなく、中にいる土方に声をかけた





「おぉ、入れ」






土方の声を聞き、中に入ると、土方は華蓮を見て固まった





「お前………その腕は!?」





沖田が応急措置をしていたが、まだ血が止まってはおらず、布に血が染みていた





「すみません、巡察中に不逞浪士に遭遇しまして…………
今すぐ山崎を呼んできます」





沖田はそう言って部屋を出た






「何があったんだ!?」





土方はたちまち眉間に皺を寄せて、怒っているように見えた






「えっと、その──────」






華蓮は不逞浪士に会ったところから、全員を倒したことまでを説明した






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