神風の如く






華蓮は真っ直ぐと二人の目を捉える





「恐怖心がないと言えば嘘になります
平和な時代からきた私が、そう簡単に刀を握ることができるとは思いません


それでも、私は守られているだけなのは嫌です


ここで成すべきことがあるのなら、ここにいるみなさんと同じ目線に立ち、それを見極めたいのです」





これは───初めて自分の中に生まれた、使命感というべきものだろうか──?





これまで、胸が、魂が熱く燃えるようなことはなかった





華蓮はさらに続ける





「私は、今まで、いろいろなことをやらされて育ちました
両親に言われたことに一切背かず、全てを完璧になるまでこなしたつもりです


そんな私が、今、初めて自分が心から果たしたいと思うことなのです


ここで生きて、ここを守る────私の心が、魂が、そうだと言っているのです



こんな理由ではいけないのでしょうか?」






あまりにも一気に口を走らせたせいか、最後の方は早口になっている気がした




それでも、これが華蓮の本心だった





どうしてここまで思えるのかは正直華蓮自身もわかっていない





そんな中でも、彼らに、壬生浪士組の人たちに心惹かれるものがあるのも確かであった






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