神風の如く
壬生浪士組のある一日②
次の日、華蓮は道場に来ていた
そして目の前にいるのは無口な三番隊組長、斎藤一
たしか、歴史上でも斎藤が左利きであったというのは有名だった
───昨日二人が話していたのは斎藤さんのことだったのか!!
華蓮はやっと話が掴めたのであった
久しぶりに握る竹刀
空手をやり始めてからも、時々兄の拓哉にこうして相手をしてもらっていたのを思い出した
「湊上、突然で申し訳ないが、お前がどのくらいできるのか見たい
一度手合わせできないか?」
「え、誰とですか?」
突然の話に驚いた────それだけでなく
「無論、俺とだ」
「はい?、え?」
沖田総司と同じくらいの腕前だったと言われる斎藤と自分が試合!?
冗談じゃない、と言いたかった
しかし、土方と自分の決意との約束の手前、逃げ出すわけにはいかない
「心配無用、怪我はさせない」
それって、倒す気満々じゃないですか、と内心ツッコミそうになるのを抑えた