神風の如く







突然のことに華蓮は驚くがそれには構わず、女性は淡々と話し出した




「初めまして、私は小雪
突然、驚かせてごめんなさい」




驚くも何も、今自分の身に何が起こっているのか把握さえできなかった




「えっと……湊 華蓮です
あの、ここはいったい──?
私はどうしてしまったのですか?」




人間、あまりにも驚くと逆に冷静になれるらしい



華蓮は思った以上に落ち着いていた




「華蓮、ここはあなたが元にいた時代とは違う時代です」






────え?






華蓮は小雪が言っていることの意味がさっぱりわからなかった



「それってどういう────」




質問を遮るかのように雪が慌てて口を開く




「今、私が言えることはそれだけなのです
お許しください

それからこの森を抜けた先に街がありますからそこにお行きなさい


きっと出会えるはずです───」





───彼らに







最後はうまく聞き取れなかった



まだまだたくさん聞きたいことがあったのに、小雪は消えてしまっていた




とにかく、街に行ってみよう




今の私にそれ以外に何かする方法がない






これから起こることに不安を感じながら、一歩踏み出した







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