偽フィアンセは次期社長!?
黙りこくるあたしに気づいた課長が、運転しながらバシッと肩を叩く。


……痛いんですけど。


「馬鹿、お前、何か勘違いしてるだろ?

そういう設定な、設定。

お前みたいな、ちんちくりんに運命とか感じないから安心しろ、ほんと」


……いや、なんかさらりと酷いこと言われたので安心もできませんけど……。


「……なんなんですか、やっぱり意味が分からないです」


一瞬でも、課長があたしのこと好き?!とか思ってしまったことを見透かされて恥ずかしすぎるし……。


そーですよね、あり得ませんよね、勿論あたしもそんなこと期待した訳じゃないですよ?!


と、言ってやりたい。
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