偽フィアンセは次期社長!?
この間、マルシェで助け出してくれた時には、頼れる温かい背中に見えたのに、オフィスで見るそれはなんだか恐ろしく……。


促されるままに企画部まで連れられ、前にも通された来客用スペースに二人で入る。


「……おい」


「……はい?」


ああ。さっきまでの爽やかな空気は一体どこへ?


イケメンなのに、醸し出す雰囲気が、完全に『たちの悪い小学生男子』なんですけど……。


「お前、12月の最初の土曜、あけとけよ」


「……え?」


いやいや、半年先のスケジュール管理するほどあたし売れっ子じゃないんですけど……(なんの)


一体何の話かと、固まっているあたしを、課長がチラッと見て話を続ける。


< 203 / 347 >

この作品をシェア

pagetop