偽フィアンセは次期社長!?
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はぁあ~、と吐く息が白い。
「覚悟はしてたけど、寒いね……」
「ほーんとー。ね、靴下何枚履いてきた?あたし3枚」
「え、うそ、凄くない?」
あたしと那由子の後ろから、声が掛かる。
「バカだろー、こいつ。そんでお気に入りのブーツ履けねぇとかって朝から騒いでんの」
隼人君が、口の悪さとは裏腹に、にこにこと優しい笑顔で那由子を見つめている。
「もー、いいでしょー、結局履けたんだから!隼人も商品並べるの手伝ってよね」
……仲良しだなぁ。
月日は流れて、今日は11月の、祝日。
覚悟していたよりも、空気はピンと張りつめていて、寒いけど気持ちいい。