悪者女子の恋心!
「っ何よ、寒いじゃない!血行が…」


バンッと顔のそばに手をつかれ、固まる。


怖い怖い何この人!?


「やっぱり泣いたんだな?」

「泣きますよ?そりゃ泣きますとも」


人間ですから。

ていうか…あたしを泣き虫にしたのは椿と凜じゃない。

泣いていいって言ってくれたから。


「明日名…関係か」


久々に聞いた透真の名前。

「違うわよ、ただ…」

「嘘つくなアホ」


だから何なのよ凜は…


「いい加減…っ、素直になれよ!」


苦しそうに言う凜に圧倒されて、声が出ない。



「あたし…今は言えない。また、言える時が来たら…絶対言うから」


口に出したら苦しいから。
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