悪者女子の恋心!
「おっはよ♪マイプリンセス」


まだ夜なんだけど!!


戸口に万雄らしき人物のシルエットが見えた。


「まっ万雄くん!!」

椿がガバッと起き上がる。

「何?お手洗いなら角曲がって右よ」

「いや俺そんなじいちゃんじゃないよー?」

「ああそう、ガールズトークして寝たいんだけど」

「そっかぁ~…じゃあ受け取って?」


椿とあたしに1つずつ、冷たくて柔らかいものが投げられた。


「万雄くん、これ何…?」

「んー?2人とも顔腫れてるからさー。腫れに効くジェルアイマスク」


枕元のスタンドで見ると、椿のは薄ピンク、あたしのはショッキングピンクだった。


「あ、ありがとう万雄くん!」

「いーえ。何があったか知らないけど、何でも聞くからねー?」


真っ赤な椿にまたしても笑顔を向ける万雄。


「…まぁまぁ気が利くじゃない」

「でしょ?おやすみ」


何であたしにはドヤ顔な訳…?

万雄はニコッともう一度綺麗に笑ってドアを閉めた。
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