悪者女子の恋心!
「あー、だりぃ」

「何で凜はそんな無関心なのよ、椿がピンチなのに」

暢気に凜は欠伸なんかしている。

「んー、別に。てかさぁ」

何よ、と言う前に心地よい圧迫感。


抱き締められてる、と理解するまでに数秒。


「なっ…」

「俺がお前のことギュッてしても危険じゃねぇだろ。イコール、ピンチじゃねぇ」


えーえーそうでしょうとも!!


「さみぃ」

「冬、だから…」


いや、あたしもそこじゃなくて。


この状況、どうにかしなきゃ…

仮にも「王子」の凜と抱き合ってるなんて噂が流れたら…あたしの命はひとたまりもない。 
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