悪者女子の恋心！

「春美さん…」


「あ、いや」


あはは、何でもない。なんてゴニョゴニョ呟いている。

しかも、そのまま立ち上がり。


走りだそうとして…


「いやいやいや。逃げないで欲しいわ、何してるの？」

パシッと春美さんの腕をつかむ。

振り返った春美さんの手は涙でグチャグチャ。


「見ないで…っ！！」


はぁ？何この子。


「別に見たくないんだけど。汚いわね、顔拭きなさいよ」


「うん……あ、ハンカチ教室だ…」


もう、世話が焼ける人ね！！


「使いなさい。ただし高くつくわよ、利子つきで」


嘘だけど。

ピッタリアイロンがかけられた吸収性バッチリの白いハンカチを渡す。