君の姿

教室は今はシンと静まり返っていて、なかなかの居心地で

1番後ろの席のあたしは、みんなのリアクションなどを眺めるには最適なのだ

が、目の前の彼は全くもって顔が見えない

それに背が高く、175cmは確実にあるだろうと思える

私は背がそこまで高くない、だから無性に腹が立つ

一度イタズラしてみようとも思った(性に合わないが…)

けど、何かオーラというものが感じられてイタズラできず、いつの間にか彼の肩に手を置いていた

彼は静かに後ろを振り向いて「何?」と一言だけ言い放った

私は「ヤバい」と思い何か会話を探した

別に「なんでもない」と済ませておけばいいのに、何故そこまでして会話を探さなければならないのか正直その時わからなかった

「いやー…えっと、肩にホコリがついてたからちょっと気になって…」

私はチラッと彼の顔を見ると彼は「えっ、嘘?!ゴメン、ありがと」とニッコリ笑ってくれた

何故か私の鼓動が速くなるのを感じた

これを何という名前かは、私はまだ知らない
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