【短】ウラハラ彼女
彼女が死にたいワケ





ある日の学校。



前の授業をなんとなくサボったまま昼休みに突入した。


ガコン、とドアの開く音がして目を向ける。



錆びれた屋上で1人寝転がる僕の前に現れたのは、髪をまっすぐ伸ばした一見真面目そうな女。




ここ、けっこう人が来ない穴場だったんだけどな……。


たまにカップルがイチャつきに来るのが欠点だけども。



ゆっくり起き上がりながらそんな事を思う。



そうして出て行くのを期待しながら、相手の行動を目で追ってみる。


明らかに僕に気付いているだろうそいつは、先客がいて諦めて出て行くわけでもなく。



フェンスによじ登りあろう事か……




「あたし、死ぬから」


そう僕に告げてにっこり笑った。





……。



「は?」



いやいやいや、ちょっと待て…


なにこの展開。





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