【短】ウラハラ彼女
え、誰が誰を好きなわけ?





何一つ理解しようとしなかった僕は、なんて愚かだったんだろう。



人に興味を持てなかった。


ただ何となく過ごしていた日常はあまりに退屈すぎるもので。



それを変えてくれたのは紛れもなく、久住果歩――彼女だったというのに。




冷徹に突き放したあの時。


彼女が何を思い、何を抱いていたのか。


それすら考えようともせず。



元の鞘に戻るだけ。


そう、軽く周りを静観して知った気になっていた。




結果として彼女がいなくなったのは、必然的なことだったんだろう。






< 24 / 50 >

この作品をシェア

pagetop