【短】ウラハラ彼女
実際に顔を合わせたわけではないことに、間違いはないらしい。
「あたし、昔から何でか女子に嫌われる質みたいで、一時期嫌がらせも受けててね。別にそれほど堪えたわけでもないの。
それ自体をどうこう言いたいわけじゃなくて……
ただ、つまらなかった。なんて下らない事ばっかりするんだろう…って。
何かと突っかかってくる他人も、それを冷めた目で見る自分も嫌になった」
記憶を探る僕の心情など知りもせず。
いや、想定していようと途中で止まる気はないのかもしれない彼女は、一呼吸置いて続けた。
「あたし、何で生きてるのかなぁー…っていっつも感じてた。
でね、憂鬱になってふと空を見上げたんだけど。
そこであたしは……
初めて、三橋くんを見つけたの――」