【短】ウラハラ彼女
案の定、彼女らは飽きてどこかへ散り散りになっていった。
いやいや、こんな錆びれた場所に呼び出しといてそれはないでしょ。
んー、まあ……
今日は突き飛ばされなかっただけマシだと思おうかな。
昨日降った雨で地面ぬかるんでるし。
この後また授業あるから汚すのは避けたいし。
うん、運が良かった。
ふぅー、と額を拭って上を見ると
「…あ、晴れてる」
昼前まで曇ってジメジメしてたのに、雲が薄くなっていつのまにか太陽が顔を出していた。
天気が良くなったのにあの仕打ちはちょっと痛いなぁ、うん。
雲の動きを目で追っているとふと、ある教室に行き着いた。
後方の窓しか空いていなくて、そこから誰かが覗いていた。