【短】ウラハラ彼女
眩しそうにかざした手が顔に影を落とし、目を細めて空を見上げている。
その表情はどこか物憂げで。
それでいてどこか、異彩を放っていて。
他とは違う空気を纏っていると、ここから見ていて感じた。
なんてキレイなんだろう…
本気でそう、思った瞬間。
――ドキン。
心臓が、大きく跳ねた。
鼓動が一定の速度で脈打ち出す。
自分が、おかしい。
あの人は今なにを思っているんだろう。
どんな人なんだろう。
名前は?歳は?先輩かな。それとも後輩?
同級生だったりして。
知りたいと、無性に追求したくなる。
いろんな感情が入り混じって、溢れてくる。
初めてのことに戸惑いを抑えられなくて、唇をきゅ、と結んで堪えた。