選択恋愛
私は今日もいつも通りバス停に立っていた。
「うぅ…寒い……。」
12月はスカートでは何かと辛い。
ポケットに手を突っ込み、なるべく縮こまる様にして寒さを凌ぐ。
ーピロロリン♪ー
友達からトークメールが来たらしい。
"もうすぐバス彩也の所に着くよー!"
返事を返し、スマホの画面を切った。
そして、制服のポケットの中にスマホを入れた。
すると目の前にバスが到着する。
バスに乗り、定期を表示して友達の居る席へと向かった。
「おはよ!」
「おはよー、なっちゃん。」
いつもバスが一緒のなっちゃんこと鷹夏海(たか なつみ)。
私の親友の一人である。
「コンビニ寄って良い?」
「良いよー。」
毎朝、なっちゃんとバスで待ち合わせし、さらに駅で乗り換える時に私の幼馴染みや高校からの友達と合流する。
それが私の日課なのだ。
駅に着き、コンビニにより、何時もの待ち合わせ場所に行く。
「あ、彩也おはよー!」
「皆おはよ。」
「ちょっと、うちも居るんだけど!!」
「あ、ごめん、鷹ちっちゃくて見えなかった。」
なっちゃんは身長が145cmと小さい。
私は161cmでよく、高くていいねと言われるが、小さくて可愛いなっちゃんが羨ましい。
「うっさいなー!!」
そうこうしているうちに学校行きのバスが駅のバス停に到着した。
バスに乗り込み前の方の席へ腰を掛ける。
ふと横を見ると見た事のある様な横顔の男の子が私の隣に吊革に捕まって立っていた。
ジロジロと顔を見る私は不審者だろう。
「……本谷君…かな?」
小さい声で独り言の様に呟いたので、周りには聞こえていないだろう。
ーピロロリン♪ー
"ちょっと、さっきから目の前の男の子見てるけどどうしたの?"
流石私の親友。
なっちゃんは私の行動の異変に気付いたらしい。
"いや、知り合いの男の子かなって。本谷って言うんだけど"
"今日って特進って附属大学前のバス停ででバス降りるんだよね?"
そう。
今日は特進は附属大学で授業が行われる為に高校よりもだいぶ手前の大学前で降りるのだ。
ちなみに私はこう見えて国公立や難関私立合格を目指す特別進学コースにいる。
まぁ、特進の下のほうだけどね。
"声掛けてみたら?"
"いや、人違いだったら嫌だしやめとく。"
向こうは今まで私に気付いてくれていた。
でも今日は気付いていない。
私は不安な気持ちに駆られた。
"うちがその本谷ってやつかどうか確かめといてあげるよ。"
なっちゃんの方を向くと指を立ててグッドサインを出している。
本当、なっちゃんにはお世話になりっぱなしだな……。
「次は附属大学前、附属大学前。」
"宜しくね!なっちゃん!"
手を振りバスを降りる。
なっちゃんに任せて私は大学へと向かった。
ーピロロリン♪ー
「ん?誰だろ?」
スマホの画面を付け、名前を確認すると
「…なっちゃんだ!」
すぐにメール画面を開き、読み始める。
"あの後彩也が座ってた席に座ってたよ!そしてね、学校でたまたま体育の時見つけてさ、ジャージの名前見たら本谷って書いてあった!"
やっぱり本谷君だったんだ!
"なっちゃんありがとう!!"
なっちゃんへのメールにお礼の言葉を述べて送信。
「……はぁ…。」
でも今回は向こうは私に気付いてくれなかった。
「うちの事忘れちゃったのかな?」
あんなにも近くに居たのに気付いてもらえなかった。
胸の奥がズキズキする。
凄く寂しい。
本谷君が私にとって、他人事の存在ではない。
その事を私はこの日実感をした。
「うちにとって、本谷君は……何?」
「うぅ…寒い……。」
12月はスカートでは何かと辛い。
ポケットに手を突っ込み、なるべく縮こまる様にして寒さを凌ぐ。
ーピロロリン♪ー
友達からトークメールが来たらしい。
"もうすぐバス彩也の所に着くよー!"
返事を返し、スマホの画面を切った。
そして、制服のポケットの中にスマホを入れた。
すると目の前にバスが到着する。
バスに乗り、定期を表示して友達の居る席へと向かった。
「おはよ!」
「おはよー、なっちゃん。」
いつもバスが一緒のなっちゃんこと鷹夏海(たか なつみ)。
私の親友の一人である。
「コンビニ寄って良い?」
「良いよー。」
毎朝、なっちゃんとバスで待ち合わせし、さらに駅で乗り換える時に私の幼馴染みや高校からの友達と合流する。
それが私の日課なのだ。
駅に着き、コンビニにより、何時もの待ち合わせ場所に行く。
「あ、彩也おはよー!」
「皆おはよ。」
「ちょっと、うちも居るんだけど!!」
「あ、ごめん、鷹ちっちゃくて見えなかった。」
なっちゃんは身長が145cmと小さい。
私は161cmでよく、高くていいねと言われるが、小さくて可愛いなっちゃんが羨ましい。
「うっさいなー!!」
そうこうしているうちに学校行きのバスが駅のバス停に到着した。
バスに乗り込み前の方の席へ腰を掛ける。
ふと横を見ると見た事のある様な横顔の男の子が私の隣に吊革に捕まって立っていた。
ジロジロと顔を見る私は不審者だろう。
「……本谷君…かな?」
小さい声で独り言の様に呟いたので、周りには聞こえていないだろう。
ーピロロリン♪ー
"ちょっと、さっきから目の前の男の子見てるけどどうしたの?"
流石私の親友。
なっちゃんは私の行動の異変に気付いたらしい。
"いや、知り合いの男の子かなって。本谷って言うんだけど"
"今日って特進って附属大学前のバス停ででバス降りるんだよね?"
そう。
今日は特進は附属大学で授業が行われる為に高校よりもだいぶ手前の大学前で降りるのだ。
ちなみに私はこう見えて国公立や難関私立合格を目指す特別進学コースにいる。
まぁ、特進の下のほうだけどね。
"声掛けてみたら?"
"いや、人違いだったら嫌だしやめとく。"
向こうは今まで私に気付いてくれていた。
でも今日は気付いていない。
私は不安な気持ちに駆られた。
"うちがその本谷ってやつかどうか確かめといてあげるよ。"
なっちゃんの方を向くと指を立ててグッドサインを出している。
本当、なっちゃんにはお世話になりっぱなしだな……。
「次は附属大学前、附属大学前。」
"宜しくね!なっちゃん!"
手を振りバスを降りる。
なっちゃんに任せて私は大学へと向かった。
ーピロロリン♪ー
「ん?誰だろ?」
スマホの画面を付け、名前を確認すると
「…なっちゃんだ!」
すぐにメール画面を開き、読み始める。
"あの後彩也が座ってた席に座ってたよ!そしてね、学校でたまたま体育の時見つけてさ、ジャージの名前見たら本谷って書いてあった!"
やっぱり本谷君だったんだ!
"なっちゃんありがとう!!"
なっちゃんへのメールにお礼の言葉を述べて送信。
「……はぁ…。」
でも今回は向こうは私に気付いてくれなかった。
「うちの事忘れちゃったのかな?」
あんなにも近くに居たのに気付いてもらえなかった。
胸の奥がズキズキする。
凄く寂しい。
本谷君が私にとって、他人事の存在ではない。
その事を私はこの日実感をした。
「うちにとって、本谷君は……何?」