蜀宮廷日記
そんな風に出会いをした2人であったが、春蘭との出会い後は疎遠になっていった・・・。

たまに、会っても会話するには到らず(>_<)


特に関興は何度か、話しかけようとしたが、悉く春蘭が邪魔に入るのだった。

真由が宮廷に上がる頃には、関興もひとかどの武将になっていた。

そして、久しぶりに会話出来た・・・。

あれから四年経過していた。

その間

真由にも縁談の話もなくはなかったが、真由が乗り気でないと馬超にはわかったので、受けなかったのである。

春蘭は、尚書令という高官の武将、李厳の娘であった。


それに二人には、ある因縁があった。


真由と出会う一年ほど前、


ある武芸の稽古帰りに李厳の元へ寄った時に事件は起きた。

当時もう父の関羽の力もあり少年ではあったが軍の訓練にも参加していた関興は、上官の李厳に訓練の報告に来ていた。

父の得物、青龍偃月刀のような刀を持っていた関興であったが、それを壁に立て掛けて、報告をしていたのだが、ちょっと春蘭がそれに触れた・・・。

倒れる長刀

危ない!

春蘭は生きていた。

だが、運悪く左の二の腕に長刀がかすり、かなりの出血・・・。


結局助かったものの、関興は春蘭を文字通り

傷物


にしてしまった。


そんな事件もあり、春蘭をめとる約束、許嫁になることになった関興と春蘭であった・・・。


だから、真由が気になる関興であったが、そんな時、いつも春蘭は何気なく傷を見せるのであった・・・。


その度に関興は苦悩していった。


そんなだから、関興は春蘭を避けていた。


そんな最中の宮中の再会であった。


「ま、真由殿」


「安国様」


二人はぎこちなく挨拶を交わした。


しかし、これは真由の気持ちを聞いていた敦姫ともう一人の人物の計らいだった・・・。
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop