魔界姫志ーまかいきしー


ユエの意見も考えたがそれだとおかしすぎる。

初めて会った時、コイツは森の中で隠れていた。

「その場合も考えたが無いだろう。
初めて会った時から思っていたが、あいつに記憶がなくても

この辺に居る腐った根性の奴等は神の子の存在を昔から聞いているはずだ。

そんな子が歩いてあの森まで行き着けると思うか?
道中で捕まるのがオチだ。

ロイがこの世界に連れてきた。
そう考えるのが自然だろ」

「シキ、やけに饒舌ですね?」

…こいつ。
ルイはいつもそうだ。

大事な話をしても直ぐに話題を変えようとする。

昔からそうだったが…コイツは人の話を流し、逸らすのが上手い。

一方距離を置き壁を作っている。
俺もユエもそれに気付いているのに それ以上は踏み込まない。

お互いが話したくないことは無理矢理聞かない、触れない。

暗黙のルールが出来上がっていた。


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