魔界姫志ーまかいきしー


『主よ…起きておるか』

ん、んん…誰の声?

『やっと我の声が届いたか』

「…うわっ…!!」

慌てて目を覚ます。

そこは真っ暗な森の中だった。

ああ、そっか…暗黒の森に来て
それで、こうなったんだ。

さっきのは夢か。
疲れすぎてるのかな…これ。

『夢などでは無いぞ』

「…っ!!」

思わず叫びそうになるが口を押さえ辺りを見回すが人らしき姿はない。

シキ達が側で眠ってるだけだった。

あ、あれ…?

『我は此処だ。主の頭近くに居たではないか』

あ、頭の近くに…?

ハッとして自分が眠っていたところを見ると丁度、寝ていた頭の上にルイから貰った杖が置いてあった。

…まさか、この杖が話してるとかないよね…。

流石にそれはーー

『そうだ。我の声が届いたのなら良い。主に話そうと思った』

…本当に杖が話してる!!

僅かに虹色の宝石が光る。
それは周りに遠慮してるのか今にも消え入りそうなほど。



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