魔界姫志ーまかいきしー
「自分より下の妹に好意を寄せる彼に姫様は怒り狂ってしまった。
姉妹とはいえ、母親が違う二人は血は繋がっていなくてね。
姉である姫様が考えた結論はこうだ。
ー妹を殺してしまえば良いんだー
そうすれば王様は私を好いてくれる と考える様になり妹を殺させた。
姫様が資金を大量に払い妹の死は事故死扱いになった。
それでも執念深い姫様は妹と同じ…綺麗な金髪に深々しい緑色の瞳を持つ人間を殺そうと計画していた。
…それが俺の大切な人に当てはまって殺されたんだ。
勿論、そこまですれば姫様は牢獄行きの死刑になったよ。
死刑執行は明後日の昼。
その忌々しい事件が起こったのは…もう三年前の話だけどね。
三年経ってようやく姫様が死刑、だなんておかしな話しさ…今、この国に姫様なんて居ないも同然なのにさ。
誰がこの国を守るんだろうね」
自嘲的に笑うユエを見て私は思わず手を掴んだ。
驚いたように私を見下ろすユエに私は目も合わさず俯いて口を開く。