魔界姫志ーまかいきしー
mission 3

ロークァット



「…それが美咲さん…って事?」

問い質す訳でもないのに私の口からは さっにユエが寝惚けて呟いた女の人の名前を出していた。

「……」

ユエは否定も肯定もしなかったけど私は肯定だと思った。


何も言ってないけど…美咲さんの名前を出したときユエの手がわずかに動いた。

…きっと焦ったんだと思う。

「ユエがその人を好きなら好きでいいと思う。
人が誰かを愛するのなんて当たり前の事だし…」

手を握る力が自然と強くなる。

「でも…ユエが自分を責めるのは間違ってると思う。
そのお姫様が悪いけどユエは心のどこかで自分が守ればよかったと思ってるでしょ?

この国を敵にまわしてでも守ればよかったと」

…何となくユエの思ってる事が分かったような気がする。



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