魔界姫志ーまかいきしー


小さく呟かれた私の言葉は見事に消え入った。

「俺には良く分からない。

生きる理由も死ぬ理由も。」

分からない。
そう言ったユエの顔は本当に分からないって顔をしていて。

今にも泣きそうだった。

「簡単な話じゃない」

とても簡単で、とても単純な。
純粋に考えれば分かることなのに、ユエはそれを考える事すらも放棄していたんだ。

「ユエの生きる理由は 美咲さんの分まで生きて
美咲さんの分まで幸せになること。

それが難しいと思うなら今は私達の為に生きて、私達の為に笑って、泣いて…怒ってほしい。

私が貴方達を全力で守るように。
貴方も…ユエも私達を全力で守って」

「分からない、なんて言わせないんだからね」

そう付け足してユエを見上げて満面の笑みを向ける。

そうだよ。
ユエが分からないなら私が教えてあげればいい。

私だけじゃない、きっと二人だって こう言うはずだから。


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