魔界姫志ーまかいきしー


「着いたぞ」

シキの声でハッと前を見る。
そこにはただ普通に滝があるだけで他に道なんてものもないし

誰がどう見ても行き止まりにしか見えなかった。

「行き止まり…ですね。引き返して違う道に行きますか」

そう言うルイだったけど私はジッと目の前の滝を見つめる。

…この景色、もしかして…?

何度も見た、声だけが聞こえる言葉を思い出す。
どうして今それを思い出したのか分からないけど、この滝は行き止まりなんかじゃない。

私の見た光景がもしも本当なら…。


< 133 / 284 >

この作品をシェア

pagetop