魔界姫志ーまかいきしー
「着いたぞ」
シキの声でハッと前を見る。
そこにはただ普通に滝があるだけで他に道なんてものもないし
誰がどう見ても行き止まりにしか見えなかった。
「行き止まり…ですね。引き返して違う道に行きますか」
そう言うルイだったけど私はジッと目の前の滝を見つめる。
…この景色、もしかして…?
何度も見た、声だけが聞こえる言葉を思い出す。
どうして今それを思い出したのか分からないけど、この滝は行き止まりなんかじゃない。
私の見た光景がもしも本当なら…。