魔界姫志ーまかいきしー


「貴様はあの時の」

「覚えているか。お前も中々だったな
まさかこの女のために身を投げ打って一緒に崖から落ちるとは」

崖から落ちる。
その言葉で私はようやく理解する事が出来たらしい。

この人は…私が初めてこの世界に来たとき、弓で襲ってきた…!!

どうして。

そんな言葉が頭を過ぎる。

どうして彼女がここにいるんだろう。

何が目的で私達の前に現れたんだろう。

「無駄口は聞きたくねえ。
貴様の狙いは何だ。こいつか」

こいつ。
恐らく私の事なんだろう。

私が神の子だから、なのか

それとも只の珍しさから手に入れたいと思うだけなのか。

…どの道、この人達に着いていくのは得策ではない、と

馬鹿でアホな私でも分かる。

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