魔界姫志ーまかいきしー


それでも私に拒否権は無かったらしく、黙ってシキの後に着いてきている。

勿論、宮殿を前にしてみれば侵入者を徹底的に懲らしめようと しないばかりの威圧な騎士達がいる。

そりゃあ私達は今からこの国の姫になるとか騎士になるとか言ってるけど…どう納得させるんだろう。

「ここの者だ、入らせろ」

見えついた嘘を清々しい程に素直に言うシキに私は目を見開くしかなかった。

ここの者って何。
そんな嘘、バレるに決まってるじゃん!!

ひやひやしながら そのやり取りを見てると、門番らしき人二人が横目でシキではなくルイを見る。

その瞬間、驚いた様に目を見開いて。
深々と頭を下げて「畏まりました、こちらへ」と呟いたんだ。

…ほんと ルイって何者なの…?

「レイ様!
ルイ様がお見えで御座います」

「なんだと。あの疫病神が帰ってきたのか!?」

私達にも聞こえるほどの大声でレイと呼ばれた人が言葉を紡いでいた。

疫病神って…ルイの事なの…?
様まで付けられてるのに、どうして…



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