魔界姫志ーまかいきしー


「どの面を下げて此処へ帰ってこれた?
どの面を下げてこの国へ帰ってこれた?
貴様はこの国を出た者であろう。
…妹を見殺しにした奴が今更何用だ。」

私の前に一人の男の人が立ちはだかる。
その人の言葉は冷たくて刺々しいほどだった。

頭がついていかないけど、この人が多分レイって人なんだろう…

そして、この言葉はルイに向けられている言葉で。

ルイには妹が居たんだ…でも、見殺しにしたって…?

「父上に相談があって参りました。
彼女…ユイをこの国の姫君にして欲しいのです。
彼女はこの世界でも珍しい神の子と呼ばれる存在

それに、この城の地下に眠る精霊にも会わせて頂きたいのです」

父上。
そう呼んでルイは先ほどの門番よりも深く頭を下げた。

…ルイが人に頭を下げるのは珍しい気がする。

…って。
え…?

「お、お父様あああ!?」



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