魔界姫志ーまかいきしー
「…ユイさん、良いんですよもう。
妹を死なせてしまったのは紛れもない私なのです」
また、悲しい顔をしている。
ルイが悲しい顔をするのは戦っている時と妹さんの話をする時だ。
どうして私はいつもこの人達に悲しい顔をさせてしまうんだろう。
「ルイ…」
私は目を閉じて歯を食いしばった。
今ここで彼らに頼ってしまうのは違う。
今回のことは私が勝手に独断で犯してしまった事だ。
なら、私一人で真実を探してみせる。
「シキ、ルイ、ユエ」
一人一人の顔をじっと見て微笑む。
「3日後に宮殿で会おう?
それまで私は一人行動をするわ」
早口で呟いて走って逃げる。
逃げるというか、一人行動の為に彼らと離れるって言った方がいいのかな。
「おい!」
「ユイさん!?」
「…やれやれ」
そんな声が後ろから聞こえてきたけど気にせずに走って走って城下町に出た。
『良いのか…奴等を置き去りにして』