魔界姫志ーまかいきしー
「オリさん…?
私はユイって言います」
「オリで良いわよ。ユイね、宜しく
ああ、それと。敬語もなくていいわよ」
「あ…うん…宜しく、オリ」
「さて、これからどこに行きましょうか?とりあえずこの街を案内した後は泊まる宿を探さなきゃね。
あなた、何かするんでしょう?」
何でも見透かしたように真っ直ぐな瞳を向けられて私は焦る。
まだ何もオリには言ってないのに…ほとんど合ってる。
宿も探そうと思ってたし、ルイの事も探ろうと思ってた。
…すごい、何者なんだろう。
「うん、合ってる。
どうして分かったの?」
「え?あ、ああ…じきに分かるわ。
アタシの勘と秘密の力のおかげって事にしておいてくれる?」
人差し指を私の口元へ添えて軽くウインクを飛ばすオリに
女の私でも少しドキッとした事は本人に内緒にしておこう…。
それほどオリが妖艶で大人っぽさを交えていたから。
私より歳上なんだろうけど…何とも色っぽい…。
私とは大違いだ。