魔界姫志ーまかいきしー


「ここには新鮮な食材が毎日運ばれてくるの。
ここから宮殿までの道のりは遠くもないわ。
強いていうなら30分あれば行けるわ。

それから、この反対側にはレストランだったり…空いてる宿も多いみたいね」

オリと出会ってから一先ずこの街を案内してもらっている。

ほぼ1日を観光で使ってしまったけれどオリ曰く、まだこの街の半分も見て回れてないらしい。

とりあえず宮殿から比較的近い所の案内と宿の探しを重点的に。

そして、どこで食料が手に入るか。

それだけを教えてもらって私達は今、泊まる宿を探している最中だ。

「綺麗で安い所がいいわね…と思ったけれど
あの宮殿の地下で寝泊りしましょう?

アタシに任せて。見つからない所があるの」

なんて自信満々に、まるで無邪気な子供のように呟くオリに

私はただ苦笑いを浮かべて着いて行くしか無かったのだ。

…宮殿の地下って…それもそれで危ない気がするんだけどな…。


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