魔界姫志ーまかいきしー


「ここがアタシの家よ」

そう言って案内されたのは宮殿の地下とは思えないほど綺麗でとても広かった。

地下には扉のようなものが幾つもあり長い廊下のようになっている。

「いっぱい扉がある…」

「ああ…それはね。
この宮殿の王様を守っている騎士達の一人部屋みたいなものよ。

常に王様の側近として生活している彼らだけど時間交代もあるの。

その時に部屋に戻って色々する人もいれば寝る人もいる。

アタシがここの部屋を使えるのは特別なんだけれど、それはまだ秘密ね」

そう言いながら一番手前の扉を開けて私を中へ入るように促す。

「お邪魔します」と呟いて恐る恐る入ってみると、そこは意外にも普通の在り来たりな部屋だった。


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