魔界姫志ーまかいきしー
「…シ、キ…?」
「てめえ今まで何処にいたんだ
勝手に単独行動すんじゃねえ。」
そう言うと共に私の腕を掴む手の力が少し強くなった。
もしかして…
心配、してくれたのかな…?
うん?
でも、ちょっと待って。
「…後を追いかけて来なかったのはシキじゃ?」
「あ゛?」
そ、そうだよ。
私が一人で走ったとき誰一人として
追いかけて来なかったのに単独行動するなとか矛盾してる!
「…お前の事だから戻ってくると思ったから」
「え、何それ」
そんな理由で追いかけて来なかったって男としてどうなの…。
「まあ、とにかく。
お前少しは自分の姿に危機感を持て」
私の姿って何…普通の人間なんだけ…
そこまで思ったもののハッとして思い出す。
白髪…オッドアイ…神の子…
そのキーワードを頭から思い出す。
そうだった…私は普通の人間なんかじゃなかったんだ…
だからさっきから色んな人が私の事を見るんだ。
謎が解決した。
「…ごめん」
「別にいいけど。眼帯でも付けとけ」
ぶっきら棒に投げるようにして私に眼帯を差し出したシキを見て小さく笑い「ありがとう」と
呟いて右目につける。
こうしておけば、目を怪我した人…に見えるかな?
白髪自体はそんなに珍しくないはず。
金髪、銀髪…オレンジ、ピンク
色んな髪の色がいるんだもの、平気よ。