魔界姫志ーまかいきしー


が、それが直ぐに分かるようになる。

「私がこの世界に来なければ

ロイもレイさんも死なずに済んだ。

私が、殺したも同然なの…っ、」

ユイが泣きながら呟いて小さく笑った。

その言葉を最後にユイの髪は綺麗な白髪から黒く淀んだ漆黒の髪色に変わり

それを合図だと言わんばかりに外れる眼帯。

ユイの瞳は髪と同じように真っ黒に染まっていた。

髪も瞳も、漆黒の黒色に染まりそこには光なんてものは感じなかった。

その姿を見て絶句しているのは俺だけじゃなくルイもユエも同じだった。

これが、あの…ユイなのか…?

「許せない、許せない…!!」

自我を失っているユイに、俺達は何も出来なくて。

ユエが声を掛けても聞いてなかった。

あいつの目に映るのは、目の前にいるカナ…ただひとり。




< 203 / 284 >

この作品をシェア

pagetop