魔界姫志ーまかいきしー
止まることの無いユイの攻撃に
当たることのないユイの攻撃。
全てがまるでお見通しのように綺麗に交わしていくカナを見て改めて強いと感じた。
それでも、今2人に死なれちゃ困る。
カナには聞きたい事が沢山あるんだ。
俺はベルガを置いて2人の間に入る。
それを見計らってかルイが残り少ない体力で俺だけに防御を張ってくれた。
…あいつ、体力なんてほとんど無いくせに…
でも、さんきゅーな。
聞こえることのない声だが俺はルイに礼を言ってからカナとユイを交互に見つめる。
「カナ…お前のやったことは決して許される事じゃねえ。
国を、国の民を捨てたお前は許されるはずがない。
どうして俺達の前から居なくなったんだーー…?
どうして、俺達を捨てたんだーー…?」
最後の賭けだった。
もしかしたらカナだって操られているかもしれない。
それなら俺達が救う。
ユイもカナも救ってやりたいと。
2人が似ても似つかない存在だとしても背負う重さは同じ、最期は同じだと。
まだカナにその気があるなら、こちら側に戻れるかもしれねえ。
「貴様の低脳ぶりには笑えるな。
私が捨てたのは面倒になったからだ
貴様らも、この全ても飽きてしまってな?
そしたらベルガが仲間にならないかと誘ってきてくれたから入ったのみ
貴様達に何の思い入れもない。
ここで死のうが私に殺されようが
私には興味無いのだよ」