魔界姫志ーまかいきしー
「カナ…俺はお前を愛してた。
一人の人間として、一人の女としてお前を愛してたんだ
今更それを言ってどうにかなる訳じゃねえけど…それでも俺はカナを許してしまうんだろう…
だから俺も悪になる。
お前を生かしておけない、俺の…俺達の手で殺す」
今までカナの行いを悪いと思った事は一度もなかった。
孤独に生きる俺や国を出たルイ、生きる意味を失ったユエに手を差し伸べてくれたのは間違いなく、カナ自身だったから。
そのカナに嘘偽りは無かったと信じてえんだよ…。
こんな俺を馬鹿だと笑うなら笑ってくれても構わねえから…出来ることなら殺したくない。
カナにもユイにも生きて欲しい。
それが俺の望む未来であり願いでもあるんだ。
「何を言い出すかと思えば愛の告白か。
私も貴様の事は愛していたぞ、シキ
ただ、住む世界が違いすぎた。
私と貴様では釣り合わん、諦めろ」
…ああ。
諦めるさ。
こんな事で諦める俺は
もしかしたら本気でカナを愛してた訳でも無いのかもしれない。
こんな簡単に諦めれる愛なら、諦めてしまえばいい。
…俺は、こいつらを護ってみせる。
【 シキside 終 】