魔界姫志ーまかいきしー


「…イ?」

離れられないなら
突き放してもらうしかない。

「…ユイ?」

そうしなければ
私はきっと望んでしまう。

「ユイ!!!」

「…な、何…!?」

シキが不思議そうな顔をして
私をじっと見詰めてくる。

そうだ、今こんな事を
考えてる場合じゃない。

カナさん達をどうするかだよね。

「何、じゃねーだろアホ
お前はただ俺に着いてくれば良い」

「そ、それだけ…?」

私には戦闘を避けたいって事だ。
何するか分からないもんなぁ…。

「それだけだ
全員でカナの所に行くのは難しいだろうと考えてる

相手の敵が多けりゃ分散して戦うし
あいつらも仲間は居るからな」

…そうだ、カナさん達にも
私と同じように仲間が居る。

弓や素手を操るベルガ
二丁の銃を操るミル
二刀の剣を操るヘヴン

…ヘヴンって奴とは会った事が無いけど考えなくても分かる、その人も強い。

私なんて躊躇いもなく殺せる。

殺さないのは私に何かをさせようとしてるから。

神の子、神の力が必要な何か。

それが分かれば少しは 勝てる希望が有るかも知れないと言うのに。

今の私達は何も手掛かりが無い
まさに手持ち無沙汰状態ね。

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