魔界姫志ーまかいきしー


フリュース国を出て大きな森へと歩みを進めながらこの森を抜けた先にリンベル国があるとルイから聞いた。

この辺りの森も魔物達が わんさか居るらしいけど それも割と強いらしい。

カナさんの魔法で強くなってるとか
そんな噂もフリュース国で聞いた。

街に被害が出ないように
私達でこの魔物を倒して行かなきゃ。

「やあやあ其処の姫君様
俺と取引しようよ、簡単な取引を」

不意に頭上から声が聞こえて
上を向けば木に立っている人影が二つ。

一人は見た事ある…

「…ミル」

そう。
ロイを死に追いやった張本人のミルだ。

「僕のこと覚えててくれたんだ?
でも残念、今回は誰も殺す気ないよ

今は、ね?君次第で変わっちゃうけど」

ケラケラと楽しそうに笑うミルを見て私は手のひらをギュッと握る。

「お前が言う取引は何だ」


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