魔界姫志ーまかいきしー
「ユエは出来るだけ離れるなよ、ユイから」
そっと私の肩を抱いて
ユエも私を守るように前に出る。
防御張ってくれてるし大丈夫だと思うんだけどな…。
「ファイヤーボール!」
「ウォーター!!」
シキとルイが片手を前に出して色々な魔法を投げ掛けるが相手はそれを交わし
相手の攻撃を二人も全て交わす。
これじゃ埒があかない…!!
「…ポイズンソード」
ヘヴンが短く呟くと二本の剣に紫色のモヤみたいなのが掛かって纏わり付く。
「二人とも気を付けるんだ!
あの剣に当たったら猛毒が移るぞ」
ユエが二人に向かって叫ぶと二人は顔を見合わせて頷いた。
「ちっ……サンダーソード」
シキも短くそう呟けば雷のような電流が黄色にパチパチ輝いて剣に纏わせる。
雷で毒を打ち消す…そう考えたのかな。
「…大丈夫さ、あの二人は強いから
ユイちゃんも俺達を信じて祈って」
そっと耳打ちされ私は頷いた。
私が信じなきゃ誰が信じるのよ。
何を勝手に不安がってるの、私。
シキやルイ、ユエが強いのは知ってるはずなのに。