魔界姫志ーまかいきしー


彼らは私にそうするように仕向けるために"何か"をさせようとしてる…?

いや、もし仮にそうだとしても
私自身が進んでやってしまうこと、と言われても何も思いつかない。

この世界を消そうとする連中に手を貸すなんて有り得ない。

「…闇に染める気か」

「染めるのは俺達だけど染まるも染まらないも姫君次第だろう?」

言われてみれば確かにそうだと思う。
幾ら彼らが私を闇に染めようと手を尽くしたとしてもそれに私が耐えれれば染まったりしない。

闇に染まってしまったとしたら
それは彼らの責任ではなく私の責任になる。

気を確かに持って彼らの言葉に流されないようにしなきゃいけない。

「残念だがユイはーー…」

「悪いけど私は闇に染まる気なんて無いわ。
シキ達と一緒に戦ってこの世界も守ってみせる

私には何も出来ないかも知れないけど
あんた達の言いなりになんてならない」

ルイの張る防御壁から身を出してシキとルイの間に歩みを進める。

シキが何か言いかけてたけどそれを 遮ってまで私は言いたかった。

この人達と手を組むことなんて絶対に有り得ない、と。

「そうせざるを得なくなっても
果たして姫君はそれを言えるのかね?」

「それは分からない。
だけど私は自分を、彼らを信じて判断を下すだけよ」

何が間違いで何が正解か、そんな事
私には分からないけど私は私を信じて前に進む。

それが間違いだったとしても
それが正解だったとしても

後悔だけはしたくない。

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