魔界姫志ーまかいきしー
「……」
「黙ってないで何とか言いなよ
なーんて言っても無駄だもんね?
君のせいでロイが死んだ事に代わりはないし事実だ
言ったよね、僕
あいつが死んだのは君に力が無いからだと」
まだ頭がズキズキと痛む。
ロイの事は忘れてなんかいないのに
その話をされる度に私は自分が情けなくて許せない。
「ユイ!聞くんじゃねぇ…耳を貸すな
ロイはお前のせいで死んで何か居ないだろ」
「外野は黙っててもらえるかなぁ?」
ミルが片手を上げてシキの声を消す。
それでも何か話そうも口を開くシキだったけど周りから見れば金魚のように口をパクパクと開けているだけにしか見えなかった。
「シキに何をしたの」
「少し黙っててもらいたくてね。
声を聞こえないようにしてるだけだよ
話が終わればすぐに喋れる。
今も僕達の声は彼に届いてるから」
…それなら安心だ、良かった。
「今回も君は彼らを救えないよ
僕達のボスはとてもお強い人だから
君達なんて一瞬で殺せるだろうね?
この意味が分かるかい?
君はまた、ロイと同じように
彼らを死なせるってことだよ。
それなら大人しくこちらに来た方が誰も傷つかない、だろ?」
私のせいで、また
誰かが死んでしまう…?
また、私は救えない…?
私がそっちに行けば誰も傷つかない。
確かにそれはそうかもしれない。
だけど、彼らは今までも
命をかけて私を守ってくれてる。
私だって彼らを
命をかけて守りたい!