魔界姫志ーまかいきしー
「そ、そうだ。さっきシキの魔法でも彼女が出てこられなかったのは私達がココへ来る前に誰かが来てたみたい
顔とか分かんなかったけど…その人の魔法で封印されてたの」
<ふむ…そのような気配は感じ取れんかったがもし仮にそうだとすると奴は、とてつもない魔法の持ち主、という事になるぞ>
リアさんがそう言うって事は多分、本当に凄い魔法使いなのだろう。
それも、悪い意味での。
私にしか解けなかったという事は もし私が居なければ誰もリアさんを助ける事が出来なかった。
いや、その人は知っている。
私がこの世界に居る事も、私達がココへ来ると言う事も解ってる。
だから こんな事をしたに違いない。
そして、その中でも私と似た魔法を使える者の仕業。
そう考えると こんな事を出来るのは1人しかいない。
<に、してもお主…もしや視(み)えているのか?過去も未来も>
「流石に私達の未来、は見えないけど今までにも過去の事は視えた事がある」
「それによって俺らも救われてきた。こいつの その能力は神の子と関係あんのか」
チラリと横を見ると真剣な眼差しをしているシキと軽く目が合う。
何も疚しいことなんて無いんだけど色々な出来事を不意に思い出して慌てて逸らしてしまった。
<ああ、恐らくその力は空間の歪みから来たものだろう。それを妾達の間ではー空間の叫びーと呼んでいる>