魔界姫志ーまかいきしー


ああ、ほら。
やっぱり皆は私がどんな無茶を言っても最後には笑って「仕方ない」って言って笑ってくれる。

<話はまとまったみたいじゃな。ならば妾もシキに力を授けよう>

「ああ、頼む。その為にココに寄ったんだ。お前しか居ないと思って」

…そうか、なるほど。

ロークァットはユエに。
フレグラント・オリーブはルイに。
そしてリアさんもとい、カメリアはシキに。

皆それぞれ精霊、妖精の力を得てこそもっと強力な魔力が使えるんだ。

けど、それは認められた者しか与えられない力。

<我の力、この全てを汝に授けよう。
如何なる時でも自分を信じ仲間を信じ仲間を護る為に使う事でこの力は発揮されるだろう、汝との契約を結ぶ。

この力を授ける代わりの代償を汝に伝える。
それは己の命だ。我の命と汝の命を掛けてーー>

"命"って…そんなの…。

その力を使う事によってシキが死ぬという事だ。
でも、そんな事をしたらシキはこの世界のこの先の未来をルイやユエと見る事が出来ない。

たかが、なんて私が言ったら怒られるけど私が元の世界へ帰る為だけに、カナさんと戦う為だけに自分の命を掛けても良いのだろうか。

私はそれでも助けたいと思ってるから命なんて惜しくない。

シキもまた、そうなのだろうか。

そうだとしても、こんなのは
あまりにも酷な話でしかない。

何の為に今までやってきたの。
それでもシキは良いの…?


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