魔界姫志ーまかいきしー
「その契約に異論は有りません」
<…承知した>
リアさんがシキの目の前で飛んで両手を空に掲げている。
そして前に突き出したと同時に二人は目を見開いてじっと佇んでいた。
数秒、数十秒見詰め合ってからフッとリアさんが笑う。
それを合図に草花達が激しく揺れ、二人
を竜巻のような風が襲う。
ユエの時みたいだ…あの空間、あの二人だけが今ここを制してる。
強風に吹き飛ばされないように木に捕まりつつ様子を伺う。
竜巻は直ぐに収まって立ったままのシキに後ろから声を掛けた。
「…シキ、大丈夫?」
「…ああ 問題無い」
「…っ、」
そう言って振り向いたシキに誰もが息を呑んだのが分かった。
少なくとも私は息を呑まずには居られなかった。
怒らくこの二人も同じ。