魔界姫志ーまかいきしー


「…?何驚いてんだよお前ら」

「だ、だってシキの目が…光って…」

そうなのだ。
こっちに振り向いたシキの目は赤く光り輝いているように見えたから。

宝石みたいな輝きを放つシキの目を見て息を呑まない人なんて居ないと思う。

「…あいつの力のお陰かもな」

フッと笑ったシキの後ろに目線をやればそこには大きな木が一本。

多分リアさんの力のお陰だって言いたいんだろう。

さっきまでそこにいたリアさんが居ないという事は、恐らくこの中で長い年月を過ごす事だろう。

私と会うのも最初で最後。


「こんな所で密会か、余裕のようだな」

突然聞こえてくる声に皆が構えた。

この声は何度も聞いた。

「ベルガ!」

何故ここに奴がいるの。
ここは誰も知らないはず来れるわけ…

「まさか、あんたがリアさんに変な魔法かけたの!?」

「良く分かったな、関心関心」

パチパチと愉しむような手拍子と共に口角を上げて微笑むベルガと目が合った。

なんで、どうして。

「何が面白いの、何が楽しいの、こんな事して!」

何が目的でこの人たちは何時も私達や関係の無い人まで巻き込むんだろう。

何が楽しいの、色んな人を傷付けて。




「退屈だからだよ、この世の中が」




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