魔界姫志ーまかいきしー


だから私は絶対に負けたりしないし諦めたくも無い。

諦めて皆を見捨てる事だってしたく無いんだ。

「お前は何も心配しなくて良い。俺たちが必ず守ってやるし、必ず元の世界にも帰してやるから」

そう言って笑うシキの顔が今までよりも格好よく見えたのはなんでだろう。
いつもと変わらないその笑顔に胸騒ぎがするのはなんでだろう。

「シキ、分かっているとは思いますが無理は禁物ですよ?」

「…ったく、相変らずルイは心配性なんだよ。
俺は無理も無茶もしない主義だ。」

「無理と無茶は意味が異なるけれどまあ…シキなら大丈夫だろうね。」

分かってるんだ、二人とも。
シキがいつもと少しだけ違う事に。

「そ、そうだよシキ。
私の為に無理なんてしないで欲しい。」

「…お前の為だけじゃ無い。
俺の為でもあり、カナの為でもあんだよ。」


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