魔界姫志ーまかいきしー


ああ、そうか。
シキがこの戦いに負けられないのは私だけの為じゃなくて、相手がカナさんだから余計に負けられないんだ。

分かってても辛いなあ…。
シキは私を見てくれない、私はシキを見てるのに。

ー 代ワッテ、私ニ ー

また、まただ…頭が割れるように痛くて
意識が深い海の底に堕ちるみたいな感覚…。

目眩がする、酷い吐き気もする。

「助け…っ…」

助けて、そう言い終わる前に″私″の意識はまた落ちた。

落ちる前に誰かが手を伸ばしてくれた気がしたけど、誰だったんだろう。










「お前がシキか。
私がお世話になっているな?」


< 253 / 284 >

この作品をシェア

pagetop