魔界姫志ーまかいきしー
ああ、そうか。
シキがこの戦いに負けられないのは私だけの為じゃなくて、相手がカナさんだから余計に負けられないんだ。
分かってても辛いなあ…。
シキは私を見てくれない、私はシキを見てるのに。
ー 代ワッテ、私ニ ー
また、まただ…頭が割れるように痛くて
意識が深い海の底に堕ちるみたいな感覚…。
目眩がする、酷い吐き気もする。
「助け…っ…」
助けて、そう言い終わる前に″私″の意識はまた落ちた。
落ちる前に誰かが手を伸ばしてくれた気がしたけど、誰だったんだろう。
「お前がシキか。
私がお世話になっているな?」