魔界姫志ーまかいきしー
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「 あなた達と出逢うよ 」
「 … 何だ急に。戻ったのか? 」
「 …えっ? あ、… 」
懐かしい夢のような過去の私を見ていた気がしたけど、目を開けばそこには心配そうに見つめるルイとユエ、それに訝しげに見つめるシキの姿があった。
ううん違う。
あれは夢じゃなくて私の過去だ。
中学生の頃の…昔の記憶。
同じ名前、同じ口調…瞬希くんとシキ、琉衣くんとルイ、優恵先生とユエ。
これはきっと瞬希くんが言っていたパラレルワールド…違う世界の彼らだ。
私は“ユイ”じゃない、元の世界の“結”だ。
この世界の私は元の世界の私と入れ替わってる…?
出会ってないかもしれなかった彼らと、姿も形も違えど同じようにこうして出会えたこと。
——あの時の言葉を借りるなら、これも奇跡なんだ。
柊 結 としてユイの意思ではなく私の、別の世界の私の意思として…私は、カナさん達に勝ちたい。
それが例えこちら側の私の親友のカナちゃんと似た人だとしても。
私は終止符を打たなければいけない。
私の中にいる違う私はきっとこの世界のユイが持っている能力。