魔界姫志ーまかいきしー


…誰にも負けない、もう。
誰も傷つけさせたりしない。

みんなが私を守ってくれたように
今度は私がみんなを護る番だから。

この生を燃やし尽くしてでも
私は彼らを、みんなを護りたい。

この世界のシキに恋をした私は、きっと元の世界の瞬希くんにも恋をしていた。

叶わなかった恋、伝えられなかった気持ち。
高校生になってもう出会わなくなってしまった三人にもう一度会いたい。

これが全て終わって帰れたなら、探そう。
会って瞬希くんに「 違う世界もあったよ 」って馬鹿みたいに伝えよう。

あの頃の私はわざと遅刻して瞬希くんの元へ行ってたんだ。
それをこんな時に今更思い出すなんて、本当に馬鹿ね…もう。

————シキに恋をするのはここまでだ。
ユイ…ううん、私は私のまま私の意思で黒石を倒す。

「 心配かけてごめん、もう大丈夫。
—— さあ、行きましょう。 」

何もかも吹っ切れて気分がいい。
全て思い出して怖かったどころか嬉しい。

私にもあんな過去の生活があったんだと。

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